糖尿病とは、「血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が慢性的に高くなる病気」です。
糖尿病は、初期では目立った症状が現れず、著しい高血糖や合併症から症状が出てくるため、実は糖尿病にかかっていながらもご自身では健康だと思って生活されている方が多数いらっしゃるのが現状です。早期発見早期治療が大切ですので、定期的な健診などを心掛けましょう。
また、以下のような症状に思い当たることがある方は是非一度、当院にて糖尿病についてご相談いただくことをお薦めいたします。
ブドウ糖は体にとって大切なエネルギー源です。膵臓から分泌されるインスリンがブドウ糖をエネルギーとして利用できるように働き、結果として血糖値は下がります。
糖尿病では、インスリンの作用不足(インスリン分泌の低下や、インスリンの効きが悪くなることにより起こります)により、血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用できず血糖値は高いままとなります。
糖尿病は多少の高血糖では自覚症状がありません。しかし、高血糖が続くことによって、以下のような合併症が起こったり、感染症などほかの病気を引き起こしやすくなったり重症化しやすくなります。
特に、心臓の病気に関しては糖尿病と診断される前段階(境界型など)からリスクが上昇するといわれています。当院では、必要に応じて、心電図、心エコーや頸動脈エコー、ABI(足関節上腕血圧比)などの検査を行いつつ、循環器専門医である院長(心疾患の専門家)と連携をとって合併症評価、管理を行っております。
インスリンを産生する膵臓にある細胞(膵β細胞)が自己免疫などの理由で壊される糖尿病です。肥満とは関係ありません。子供の病気と思われがちですが、大人でも発症することがあります。膵β細胞が壊されるため体内でインスリンが産生できなくなり、治療にはインスリン注射が必要になります。口喝、多飲多尿、体重減少、意識障害などの症状を伴って急に発症するものから、徐々に進行し、発症当初は2型糖尿病と間違われやすいものまであります。
日本人の9割以上がこのタイプになります。遺伝的因子と生活習慣などの環境因子が影響しているといわれています。インスリン分泌の低下とインスリンの効きが悪くなることが原因です。2型糖尿病になりやすい方には、家族内に糖尿病の方が多い、肥満、食べ過ぎ、運動不足、ストレス、不規則な生活などの要因があります。家系的に糖尿病の人がいないから糖尿病にならない、わけでもありませんし、生活習慣に気を付けているから糖尿病にならない、わけでもありません。
膵臓や肝臓、内分泌などの他の病気に伴うもの、血糖値に影響する薬剤、感染症、遺伝因子として遺伝子異常が同定されたものなどが原因の糖尿病です。
妊娠中は胎盤からのホルモンなどが影響し血糖値が上昇しやすくなります。妊娠前に糖尿病がなかったにも関わらず、妊娠中の体の変化に対応できず血糖値が上昇してしまうことが妊娠糖尿病です。妊娠中は比較的軽い血糖上昇でも母児に大きな影響を及ぼすことがあるため、厳格に血糖管理していくことが大切になります。また、出産後は妊娠前の状態に戻ることが多いですが、妊娠糖尿病になった方は将来、糖尿病を発症するリスクが高いと言われています。出産後も定期的に経過をみていく必要があります。
糖尿病の治療の3大柱は、食事療法、運動療法、薬物療法です。特に、食事療法、運動療法が基本となります。
食事療法に関して当院では、医師の診察以外にも管理栄養士による栄養指導を行っています。栄養指導のご希望ある方はいつでもお声がけください。食事療法・運動療法で良好な血糖コントロールが得られない場合は、薬物療法が必要となります。薬物療法は、古くからある内服薬やインスリンだけでなく、日々新しい薬が開発されています。選択肢が広がった今だからこそ、患者様にあったオーダーメイドの治療を糖尿病専門医がご提案します。
糖尿病はライフスタイルに大きな影響を受ける病気であり、長く付き合っていくことになります。医師、管理栄養士、看護師などがチームとなって患者様のライフスタイルに寄り添いながらサポートしますので、糖尿病治療における良いパートナーとして、一緒に歩んで行きましょう。
当院では、経験豊富な糖尿病専門医と糖尿病の重大な合併症である心疾患に対する経験豊富な循環器専門医の2名の医師が高い専門性を活かし、患者さんが10年後、20年後、その先までも不安なく生活を送れるよう診療にあたって参ります。
さらに、より患者さん本位のオーダーメイド治療を受けていただけるよう、糖尿病治療において重要な位置づけを占める食事療法のエキスパートである管理栄養士による栄養相談も行っておりますので、どなたにも安心の糖尿病治療をご提供できると自負しております。
気にある症状がおありの方、糖尿病に関してご相談がある方は、月曜・火曜・木曜・金曜日の糖尿病専門医である水本医師による診察をご受診ください。